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February 01, 2005

自分はとんでもないものを

 模倣しようとしているのかもしれない。
 そのことに気付いたのはつい先ほど、西尾維新著「サイコロジカル下巻」を読み終えたときでした。

 先日、二年半ほど前からその完成をずっと伸ばし伸ばしにしてきた青春小説とも文学小説とも取れないある意味での私の職業作家としての――現実に今現在そういう立場にいるかどうかは別として――処女作を書き上げて梱包して郵便番号と宛名をいささか間違えながらも何とか目的の新人賞を主催している出版社には辿りつくであろう程度には正確な宛名書きを記して600円弱ほどの私財と引き換えにそれを郵送して、それから、これまた一年と半分ほど前から書き掛けたままずっとほったらかしにしていた、今度こそ真の意味で第三者の嗜好品として耐え得るだけのものを書こうと意気込んで執筆に当たっていた、見方によらずともどこをどう読んでも西尾維新を意図的に模倣した小説原稿を、その文脈を、私は今日の今日までつらつらと書き連ねていたわけですが、
 今になってそのことを少しだけ後悔しています。

 私はとんでもない作家を――あるいは途方もない文脈を模倣しようとしていたのかもしれません。

 自信を失くしたりはしませんでしたが、少なくとも確信は失いました。とはいえ自信なんてものほど頼りないものもないわけですが。この世で頼っていいのは実績のみだというのは持論でも何でもなくただの体験談ですがそれはまた別の話です。
 ロジックと文脈の波間を揚々とせせら笑いながら思いつくがままに言の葉を振りかざして極めて確信的に革新的にあるいは核心的に遊び歩いているような人間に、ロジックと文脈の渦中に切々として溺れながら流されるがままに言の葉に囚われて極めて受動的に迷走的にあるいは自虐的にのた打ち回っているような私が、いったい全体如何様にして立ち向かえば良いと言うのでしょうか。別に立ち向かう必要はないのかもしれませんが。

 そんな、ちょっとだけ切なくて、少しだけ悔しくて、そして大いに愕然とした二十一の若年も残りわずかな冬の夜なのでした。
 何にせよ、読み掛けた本は早めに読んでしまおう、ということですね。
 後悔は早めにするに越したことはないですから。なかったですから、ですかね。どっちでもいいですね。どちらにしたところで同じですね。
 まぁ今月もそんな感じで気まぐれにやっていきます。どんな感じかわかりませんが。

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